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固定資産税2026 評価替え据置と新築軽減終了の二重ショック

May 6, 2026
2 min read

ゴールデンウィーク明けに届くあの茶封筒

連休が終わった翌週の郵便受けに、市区町村から茶色い封筒が入っている。中を開けると 「固定資産税・都市計画税納税通知書」と書かれた紙が数枚。年税額の欄を見て 「去年と同じ高さだ」とため息をついた持ち家オーナーは少なくないだろう。

2026年度の通知書には、ある意味で予測通りの数字が並んでいる。2024年度に行われた3年に1度の評価替えで 土地と家屋の評価額が大幅に引き上げられた。その評価額は原則として 2024〜2026年度の3年間据え置かれる仕組みで、2026年は据置最終年にあたるからだ。

来年はどうなるか。2027年度は次の評価替え年で、路線価がこの3年でさらに上昇しているため、据置から一段上に跳ね上がる可能性が高い。しかも2021年4月以降に新築した一戸建ての所有者には、別の地雷も埋まっている。家屋部分の軽減措置が3年で終わる関係で、来年から税額がほぼ倍になるパターンだ。封筒を裏返して納期欄を確認するだけでなく、家屋分の税額相当額がいくらなのかを今のうちに記録しておくと、来年比較するときに役に立つ。

2024年評価替えで何が起きたのか

固定資産税の評価額は3年に1度見直される。直近の評価替えは2024年度で、対象期間は2021年1月時点の路線価から2024年1月時点までの3年間の地価動向を反映するものだった。この3年は都市部を中心に地価が顕著に上昇した時期と重なる。

主要都市の路線価ベースの上昇率はおおむね次の幅で推移した(国税庁の路線価図および各自治体公表値より、エリアにより差が大きい)。

エリア2021→2024年路線価上昇率の目安
東京23区中心部+15〜25%
横浜市中心部+10〜20%
大阪市中心部+8〜15%
名古屋市中心部+10〜15%
福岡市中心部+15〜25%

家屋部分も建築資材高騰の影響で再建築価格方式による評価額が+10〜20%上振れした。土地と家屋の両方が同時に上がった結果、2024年度の納税通知書を受け取った時点で「いきなり数万円〜十数万円増えた」という印象を持った人は多かったはずだ。

そして2026年度はその金額が3年連続で据え置かれる最後の年。家計目線で言えば「上がり切った税額に慣れる年」に近い。

計算式と税率の基本だけ押さえる

ややこしく見える固定資産税の計算式も、骨組みは単純だ。

  • 固定資産税 = 課税標準額 × 1.4%(標準税率)
  • 都市計画税 = 課税標準額 × 0.3%(市街化区域のみ・上限税率)

課税標準額は、評価額に各種特例(住宅用地特例など)を反映させた後の金額。標準税率は1.4%だが、自治体によっては財政状況で1.45%や1.5%に上乗せしているケースもあるので、通知書の税率欄は一度確認しておくほうがいい。

住宅が建っている土地には強力な減額措置がある。200㎡以下の部分は課税標準額が評価額の1/6、200㎡を超える部分は1/3に圧縮される(小規模住宅用地・一般住宅用地特例)。要するに、家を建てて住んでいる限り土地の税負担は本来の評価額の1/6で済んでいる。これは後で出てくる「空き家化で税額が約6倍」の話に直結する。

2021年新築組が直面する「軽減終了ショック」

通知書の確認で見落としやすいのが、家屋部分にかかっていた新築住宅の軽減措置だ。

新築住宅は当初の一定期間、家屋部分の固定資産税が1/2に減額される。具体的には次の通り。

種別軽減期間減額幅
一般の新築一戸建て3年間家屋部分の税額1/2
認定長期優良住宅(戸建て)5年間家屋部分の税額1/2
一般の新築マンション(3階建て以上耐火)5年間家屋部分の税額1/2
認定長期優良住宅(マンション)7年間家屋部分の税額1/2

2021年4月〜2022年3月に新築した一般の一戸建てを建てた人は、軽減対象が2024年度〜2026年度の3年間。つまり2026年度通知書が 「軽減付きの最後の通知書」になり、2027年度から家屋部分の税額が約2倍に跳ね上がる。マンションの場合は5年軽減なので、2021年新築組は2028年度までは軽減があり、2029年度から満額化する。

家屋評価額は経年減点で年々わずかに下がるので、ぴったり2倍にはならず 1.7〜1.9倍程度が目安。それでも家計インパクトとしては、年4万〜10万円規模の増額になる物件が多い。来年の通知書を見て驚かないために、今年の通知書の家屋部分の税相当額を覚えておくと比較しやすい。

具体的に、家屋評価額1,500万円の新築一戸建てで試算してみる。家屋部分の税額は 1,500万円 × 1.4% = 21万円が満額計算になり、軽減期間中は半額の10.5万円。2027年度に満額化すると、家屋部分だけで約10.5万円の増加。経年減点で家屋評価額が1,400万円程度に下がっていたとしても、満額時は19.6万円なので、軽減終了直前比で +9万円程度の負担増になる。土地分は変わらないため、これがそのまま年税額の増加分として上乗せされる。

戸建てとマンションで税負担はどう違うか

同じ価格帯の物件でも、戸建てとマンションでは固定資産税の発生構造が異なる。戸建ては土地評価額の比重が大きく、マンションは家屋評価額の比重が大きい。

仮に物件価格5,000万円の都市部物件で大まかに比較すると、戸建ては土地分が3割〜5割を占めるため年税額12万〜18万円のレンジ、マンションは土地共有持分が小さく年税額8万〜13万円のレンジに収まりやすい。家屋部分の経年減価はマンションのほうが緩やかなので、長期で見ると差は縮まる。

新築軽減はマンションの方が長く受けられる(5年・認定長期優良なら7年)ため、当初の累積優遇額ではマンションが有利。一方で土地の住宅用地特例の恩恵は戸建てが厚い。どちらが安いかは物件と立地で変わるので、自分の通知書の「土地」と「家屋」の内訳を分けて見ると判断しやすい。

都市別・物件規模別の年税額イメージ

実際にいくらの納付書が届くのか。土地100㎡・家屋120㎡の標準的な戸建てを想定して、エリア別に年税額の目安を比較してみる(税率1.4% + 都市計画税0.3%、住宅用地特例適用後、家屋築3年経過の前提)。

エリア土地評価額の目安家屋評価額の目安年税額(軽減後)軽減終了後
東京都心(港区・渋谷区)6,000万円1,500万円約25万円約35万円
東京23区周辺(世田谷・杉並)3,500万円1,500万円約16万円約26万円
横浜市中心部2,500万円1,400万円約13万円約22万円
大阪市中心部2,200万円1,400万円約12万円約21万円
福岡市中心部1,800万円1,400万円約11万円約20万円
地方政令市郊外1,000万円1,200万円約8万円約16万円

このレンジを見て分かるのは、軽減終了で年税額が約1.6〜1.9倍に跳ね上がるという事実。月額に直すと、東京23区周辺の標準戸建てなら、月1.3万円→月2.2万円。住宅ローンの返済額に換算すると、金利0.7%・35年ローンで約350万円分の借入を増やしたのと同等の月次負担になる。

評価額の上昇予測も加味すると、2027年度の通知書はこの「軽減終了後」の数字よりさらに+5〜15%上振れする可能性がある。心の準備としては、現在の年税額の1.7〜2.1倍を上限と考えておくと安全側だ。

賃貸物件・店舗・更地はもっと跳ねる

固定資産税は持ち家オーナーだけの話ではない。賃貸経営や事業用物件を持っている人にとっては、用途によって税負担が大きく変わる。

賃貸用住宅(マンション・アパート・戸建て賃貸)も、入居者がいる限り住宅用地特例の対象になる。1/6・1/3の圧縮はそのまま使えるので、自宅と同じロジックで税負担は抑えられる。問題は店舗・事務所・倉庫などの非住宅用途で、これらは住宅用地特例の対象外。同じ評価額の土地でも、住宅利用と店舗利用で課税標準額が6倍違う計算になる。

最も税額が高くなるのは更地・駐車場利用の土地だ。住宅も建っていなければ事業用建物もない、という状態は住宅用地特例の対象外で、なおかつ家屋部分の経年減価もない。相続でいったん建物を取り壊した土地、収益性の悪い古家を解体しただけでそのままの土地は、翌年度から税額が一気に跳ね上がるパターンになりやすい。

5月にすぐ動ける家計チェックリスト

通知書を受け取ってから第1期納期限(自治体差はあるが6月末が多い)までの約1〜2か月でできることは、決して少なくない。

  • 通知書の「土地評価額」「家屋評価額」「課税標準額」「年税額」を写真撮影して家計簿アプリに保存
  • 第1期〜第4期の納期限を全部カレンダーに登録(忘却による延滞金14.6%回避)
  • 自宅の建築年月を確認し、新築軽減の残期間と終了予定年度を把握
  • 隣地・近隣物件の評価額と縦覧期間中に比較(過大評価の可能性チェック)
  • 還元率1.0%以上の支払い手段を1つ選ぶ(PayPay請求書払い+チャージカードなど)
  • 物件価格5,000万円規模なら年税10万〜15万円分の現金準備を口座に確保

家計簿アプリと固定資産税は相性が良い。年4回の支払いを「税金」カテゴリで予算化しておくと、第3期(12月)とふるさと納税の駆け込みが重なる時期にも資金繰りが破綻しにくい。アプリ選びの観点はマネーフォワードME改悪後の家計簿アプリ比較で整理した。

改修工事と組み合わせた減額の具体例

リフォーム系の軽減措置は、申請しないと自動適用されない。工事完了後3か月以内に市区町村に申告書を提出する必要がある。代表的な減額幅と要件をまとめると次の通り。

改修種別減額期間減額幅主な要件
耐震改修(1982年以前築)1〜2年家屋税額1/2工事費50万円超、現行耐震基準適合
バリアフリー改修1年家屋税額1/3工事費50万円超、65歳以上/要介護者居住
省エネ改修(窓・断熱)1年家屋税額1/3工事費60万円超、2008年以前築
認定長期優良住宅化リフォーム1年家屋税額2/3耐震+省エネ等の複数要件、適合認定取得

たとえば家屋評価額1,200万円・年税16.8万円の物件で省エネ改修を行うと、翌年度の家屋分税額が1/3減額され、5.6万円分のキャッシュバック相当の効果が出る。窓ガラス交換と断熱材追加で工事費80〜120万円程度なので、税減額分だけでは元は取れないが、光熱費減と組み合わせて回収していく形になる。

工事を検討するなら、減額の要件を満たす施工内容かどうかを契約前に必ず工務店に確認しておくこと。現場では「省エネ改修」と謳っていても、固定資産税の減額要件(熱貫流率の数値・対象工事範囲)を満たさない仕様になっていることがある。

ふるさと納税で間接的に取り戻す

固定資産税そのものは、ふるさと納税やiDeCoの所得控除対象にはならない。「固定資産税分をふるさと納税に回せば節税になる」という勘違いは時々見るが、両者は無関係の制度だ。

ただし家計全体で見ると、ふるさと納税で住民税が下がれば、翌年度の手取り余力が増えて固定資産税の支払いは楽になる。年収700万円の会社員なら、ふるさと納税の上限枠は10万円前後で、自己負担2,000円で同額の返礼品(米・肉・日用品など)が届く。固定資産税の年税15万円のうち実質的に5万〜8万円程度の家計圧迫を、別ルートの返礼品で相殺する形だ。

ふるさと納税の申込タイミングは12月31日が締切で、固定資産税の第3期納期(12月末が多い)と完全に重なる。12月の家計繰りで両方の支払いがぶつからないように、第3期分は11月中に前払い、ふるさと納税は給料日直後の12月25日前後にまとめて申込、という段取りが現実的だ。

支払い方法5パターン、実質コストはこう変わる

固定資産税の支払い手段は、口座振替・現金・クレジットカード・スマホ決済・電子マネー(nanaco)の5系統がある。手数料と還元率を組み合わせると、実質負担額に2%前後の差が出る。

支払い方法手数料還元率の目安実質負担(10万円納付の場合)
現金(コンビニ・銀行)0円0%100,000円
口座振替0円0%100,000円(自治体次第で前納割引あり)
クレジットカード(自治体公式)0.5〜1.0%程度0.5〜1.5%99,000〜100,500円
PayPay請求書払い0円0.5〜1.5%98,500〜99,500円
nanaco(セブン店頭)0円チャージカード次第で0.5%程度99,500円

PayPayや楽天ペイなどスマホ決済の請求書払いは、納付書のバーコードをアプリで読み取るだけで完了する。決済手数料は基本ゼロで、PayPayステップやクレジットカードチャージの組み合わせで 0.5〜1.5%の還元が乗る。同じ仕組みは自動車税でも使えるので、自動車税の支払い方法6つを実質負担額で比較した記事で還元率の最新情報も確認できる。

クレジットカード払いはYahoo!公金支払いや自治体独自決済サイト経由で、納税額1万円ごとに数十〜100円程度の決済手数料が上乗せされる。手数料率より還元率が高ければ得、低ければ損。三井住友カードNL系・楽天カード・dカードGOLD・PayPayカードあたりは還元率の確保がしやすい。

実例で還元差を見てみる。年税額12万円(第1期3万円 × 4回)の戸建てオーナーが選択した場合の比較。

支払い手段還元・割引12万円ベースの実質負担差額
コンビニ現金なし120,000円±0円
口座振替なし120,000円±0円
クレカ(Yahoo!公金経由・還元1.0%)還元1,200円 / 手数料900円119,700円-300円
PayPay請求書(チャージカード還元0.5%含む)還元1,200円程度118,800円-1,200円
楽天ペイ(楽天カードチャージ・還元1.5%)還元1,800円118,200円-1,800円

差額は1,000〜2,000円程度に見えるが、年税額が30万円・50万円規模の物件オーナーになると、年5,000〜1万円の差になる。10年で5万〜10万円、無視できない金額になってくる。

ひとつ注意点。スマホ決済の1回あたり上限は基本30万円で、それを超える納税は分割決済が必要。固定資産税は第1期〜第4期に分かれているので、期ごとに別々の手段で払うのも実は使える戦略だ。第1期はPayPayキャンペーン中なら還元1.5%を狙い、第2期以降は楽天ペイで安定的に1.5%を取りにいく、といった使い分けで還元総額を最大化できる。

減免・縦覧という存在感の薄い権利

通知書に同封されている案内に、減免申請や縦覧制度の説明は小さく記載されているだけのことが多い。だが知っておくと使える場面がある。

減免の対象になりやすい主なケース。

  • 災害(地震・水害・火災)で家屋が30%超損壊 → 申請により1/2〜全額免除
  • 生活困窮(生活保護開始など) → 申請による減免
  • 耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修 → 1/3〜1/2減額(1〜2年)
  • 認定長期優良住宅化リフォーム → 1/3減額(1年)

縦覧期間は4月1日から第1期納期限までで、市区町村の窓口で他人の土地・家屋の評価額と比較できる仕組みだ。自分の評価額に不服があれば、通知書受取後3か月以内に固定資産評価審査委員会へ審査申出が可能。「同じ並びの隣家より評価額が明らかに高い」「家屋の用途や床面積が登記情報と食い違う」といった具体的根拠があるときに使う制度で、近隣同等物件のデータが手元にあると主張は通りやすくなる。

実際に審査申出が通る典型パターンは、(a)登記簿上の床面積と課税明細書の床面積に1㎡以上の差がある、(b)非課税対象であるべき部分(私道供用地・公共用地)が課税対象に入っている、(c)滅失した家屋がまだ課税台帳に残っている、(d)用途変更(店舗→住宅)に伴う住宅用地特例の適用漏れ、の4類型。書類審査が中心で口頭弁論はほぼ発生しないため、根拠資料の整理さえできれば個人でも申し立てしやすい。年税額が10万円以上の物件で1割でも下がれば、数年分の家計余力が生まれる手続きだ。

空き家にして放置すると税額が約6倍化する

住宅が建っている土地は住宅用地特例で課税標準額が1/6に圧縮される、と先に書いた。この特例は「人が住んでいるか、または住宅として機能しているか」が前提だ。

2023年の空き家対策特別措置法改正で、従来の「特定空き家」に加えて「管理不全空き家」も特例失効の対象に拡大された。窓ガラスが割れたまま、屋根や外壁が崩れかけている、雑草で隣地に迷惑がかかっている──こうした状態が続いて自治体から指定を受けると、住宅用地特例が外れて土地の課税標準額が一気に6倍。年税額が10万円から60万円近くに跳ね上がる物件もある。

相続した実家や、転勤で空き家化したマンションを放置するのは、税額面では最も高くつく選択肢になる。賃貸転用する、定期巡回管理サービスに委託する、解体して売却するといった次の一手を1〜2年以内に決めるほうが家計的には合理的だ。

やってはいけない選択

  • 通知書を確認せず、口座引き落とし額だけ見て 「いつもと同じだろう」と放置する
  • 2021〜2022年新築の戸建てなのに、軽減終了を知らないまま 2027年度の倍額化を迎える
  • 自治体から 「管理不全空き家」の助言を受けたまま放置して 特例失効に至る
  • 縦覧期間(4月1日〜納期限)を逃して、過大評価への異議申立期限切れを起こす
  • クレカ手数料1.0%のところに還元0.5%の組み合わせで支払い、実質マイナスになる
  • 第1期だけ払って 第2〜4期を忘れ、延滞金14.6%が発生する
  • リフォーム工事完了後3か月の申告期限を逃して、耐震・省エネ・バリアフリー減額を取り損ねる

延滞金は1か月以内なら年利2.4%程度に軽減されるが、納期限後1か月超で14.6%水準に跳ね上がる。納付書の期日と引き落とし口座残高は、5月のうちに4期分まとめて確認しておくと安心だ。年税12万円の物件で半年延滞すると、延滞金だけで約8,400円が上乗せされる計算で、住宅ローンの繰上返済1回分よりも重い負担になりうる。

通知書が手元に届かないケースの確認

固定資産税は1月1日時点の所有者に課税される仕組みで、通知書の送付先は登記情報の住所をベースにする。引越し直後・登記変更直後・相続後の最初の年は、通知書が前住所や故人宛に送られて手元に届かない事例が一定数発生する。

該当しそうなケースを思いつくなら、5月中に市区町村の固定資産税担当窓口に電話で確認しておくといい。具体的には次の3パターンが要注意だ。

  • 2025年中に引越したが、不動産の所有者住所変更登記を行っていない
  • 2025年中に相続が発生した不動産があるが、相続登記が遅れている
  • マイナンバーカードの住所変更とは別に、登記住所の変更が必要な物件を持っている

通知書未着でも納税義務は消えない。第1期納期限を過ぎると延滞金が発生し、長期未納だと差押え対象になる。「届かなかったから払えなかった」は理由として通用しない種類の税金だ。納税通知書の再発行は窓口で簡単に手続きでき、第1期に間に合わせるのも難しくない。

よくある疑問にざっくり答える

通知書を見て湧いてくる疑問のうち、相談頻度の高いものを4つに絞ってまとめておく。

Q. 1月2日に物件を取得した場合、初年度の固定資産税はどうなるか。 1月1日時点の所有者に1年分の課税が行われるルールなので、1月2日に引き渡しを受けた物件は、その年の固定資産税は前所有者(売主)に課税される。実務上は売買契約書の中で「日割り精算」を行い、引き渡し日以降の固定資産税相当額を買主が売主に支払う形が一般的だ。納税通知書そのものは翌年度から自分の名前で届く。

Q. 共有名義の物件は誰に通知書が届くか。 共有名義の場合、代表者1名に通知書が届く。納付義務は共有者全員の連帯責任で、内部での負担割合は持分どおりに精算するのが基本だ。代表者の指定変更は市区町村窓口で「代表者変更届」の提出で可能。離婚や相続後の名義整理でズレが起きやすいので、5月の通知書到着時に名義と送付先を確認しておくといい。

Q. 償却資産税(事業用設備)の通知書はいつ届くか。 個人の家屋・土地分とは別に、事業用の機械・什器・看板などには償却資産税(税率1.4%)が課税される。償却資産は1月末申告で5月〜6月に通知書が届く流れ。フリーランスや個人事業主で在宅ワーク用に高額機材を保有しているなら、合計150万円(免税点)を超えるかチェックしておく。

Q. クレカ手数料が還元率を上回る場合の判断基準は。 Yahoo!公金支払いの手数料は1万円ごとに約83円(0.83%)。年税12万円なら約1,000円。還元率1.0%のカードなら還元1,200円で200円のプラスだが、還元0.5%だと600円で-400円のマイナスになる。手数料 < 還元率の差し引きが正でないと使う意味はないので、PayPay請求書払いの方が手間も少なく堅い。

来年の通知書がさらに重い可能性

2027年度は次の評価替え年。直近3年の路線価上昇を反映するので、地域差はあれども都市部では再び+5〜15%程度の評価額上振れが見込まれる。さらに2021年新築組の軽減終了が重なる物件もある。来年の納税通知書は、今年より明確に重い金額で届く可能性が高い。

今年のうちにできることは限られているが、(1)還元率の高い支払い手段への切り替え、(2)新築軽減や省エネ改修軽減の対象漏れチェック、(3)空き家・更地を保有しているなら賃貸転用や売却の検討、この3つは1か月程度の手数で動き始められる。

不動産が絡む家計再点検をするなら、固定資産税の納付タイミングと同時にふるさと納税の枠フリーランスの節税も並べて見直すと、住民税・所得税側で取り戻せる金額が見える。封筒を開けて溜息をついたら、家計簿アプリで支払い予定を入力するついでに次の打ち手を1つだけ決めておくのがいい。

支払い手段の見直しは即効性がある。年税15万円の戸建てなら、現金からPayPay請求書払い+チャージカード還元1.0%への切替で、年1,500円の還元差。10年で約1.5万円。微差に見えるが、固定資産税は持ち家を手放すまで毎年発生するキャッシュアウトなので、複利で効いてくる。来年の評価替えと軽減終了で税額が増えるなら、その分だけ還元額の絶対値も増える。今年のうちに支払い手段を決めておけば、来年からは判断不要で還元が積み上がっていく。