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5月に届く納付書、どう払うかで数百円変わる

毎年5月になると届く自動車税の納付書。届いたらとりあえずコンビニへ――という人は多いだろう。だが2026年現在、PayPay・楽天ペイ・au PAYなどスマホ決済の選択肢が出揃い、支払い方法によって実質負担額に差が生まれるようになった。

たかが数百円、されど数百円。毎年必ず払うものだからこそ、5分の手間で取り戻せるなら知っておいて損はない。

ただし注意点がある。2024年から2026年にかけて各社のポイント制度が軒並み改悪されており、「去年お得だった方法が今年も同じとは限らない」状況だ。この記事では2026年4月時点の最新条件で比較する。

2026年の納付期限は6月1日

2026年度の自動車税納付書は5月上旬に届く。納付期限は原則5月31日だが、今年は日曜日にあたるため6月1日(月) が実質的な期限となる。

期限を過ぎると延滞金が発生する。延滞金の利率は納期限の翌日から1ヶ月以内なら年2.4%、それ以降は年8.7%(2026年度の特例基準割合による)だ。36,000円の自動車税を1ヶ月滞納すると約72円、3ヶ月滞納すると約500円前後の延滞金が加算される計算になる。金額自体は大きくないが、それ以上に厄介なのは、期限超過後はコンビニ払いやスマホ決済が使えなくなる自治体が多いことだ。その場合は金融機関窓口か県税事務所へ出向く必要がある。届いたら早めに対処するのが鉄則だ。

もうひとつ見落としがちなのが、4月1日時点の所有者に課税されるという点だ。3月中に車を売却・廃車した場合はその年度の課税対象にならない。だが4月2日に売却した場合、その年度は丸1年分の納税義務が残る。中古車の売買タイミングによっては買主との按分精算が発生することもあるので、年度をまたぐ取引の際は注意が必要だ。

排気量別の税額を確認しておく

支払い方法の比較に入る前に、自分の車がいくらなのか把握しておこう。2019年10月以降に新車登録した場合の税額は以下のとおり。

排気量税額(年額)
軽自動車10,800円
1,000cc以下25,000円
1,000cc超〜1,500cc30,500円
1,500cc超〜2,000cc36,000円
2,000cc超〜2,500cc43,500円
2,500cc超〜3,000cc50,000円
3,000cc超〜3,500cc57,000円
3,500cc超〜4,000cc65,500円
4,000cc超〜4,500cc75,500円
4,500cc超〜6,000cc87,000円
6,000cc超110,000円

2019年9月以前に登録した車は旧税率が適用され、上記より数千円高くなる。たとえば1,500cc超〜2,000ccの旧税率は39,500円で、新税率の36,000円と比べて3,500円の差がある。

さらに、新車登録から13年超のガソリン車・LPG車には約15%の重課が適用される。1,500cc超〜2,000ccの場合、旧税率39,500円に15%重課で約45,400円。10年以上乗り続けている車は税金面でのペナルティが大きい。一方、電気自動車やプラグインハイブリッドは概ね75%のグリーン化特例による軽減がある(新車登録翌年度のみ)。自分の車検証で排気量と初度登録年月を確認しておくといい。

ちなみに、自動車税の正式名称は2019年の税制改正で「自動車税種別割」に変わった。納付書にもこの名称が印字されているが、日常会話では「自動車税」で通じるし、この記事でもそのまま使っている。

eL-QRで全国統一された納付方法

2023年4月から、地方税の納付書にeL-QR(地方税統一QRコード)が印字されるようになった。これにより、PayPayや楽天ペイなどの対応アプリで全国どの自治体の自動車税でも支払えるようになっている。

以前は「自分の県がPayPayに対応しているか」を個別に確認する必要があったが、eL-QR導入後はそうした心配は不要になった。2026年現在、全47都道府県がeL-QR対応済みだ。納付書に印字されたQRコードをアプリで読み取れば、あとは画面の指示に従うだけで支払いが完了する。

ただし、eL-QRに対応しているアプリは限られる。PayPay、楽天ペイ、au PAY、d払い、LINE Payなど主要なスマホ決済は対応済みだが、マイナーな決済アプリでは非対応のものもある。自分が使いたいアプリが対応しているか、事前に確認しておくと安心だ。

支払い方法6パターンの比較表

2026年4月時点での各支払い方法の条件を整理する。

支払い方法手数料ポイント還元自宅完結納税証明書
PayPayクレジット無料1.0%電子確認のみ
楽天ペイ請求書払い無料0.5%(チャージ時)電子確認のみ
au PAY請求書払い無料カード次第(チャージ時)電子確認のみ
クレジットカード(地方税お支払サイト)税額に応じて発生カード次第(0.5〜1.0%)電子確認のみ
コンビニ払い(現金)無料なし不可窓口で即時発行
口座振替無料なし自動引落後日郵送

ポイント制度の変遷を補足しておく。

楽天ペイは2024年6月に請求書払い時のポイント付与を廃止した。現在は楽天カードから楽天キャッシュへチャージする際の0.5%だけが残っている。支払い時に楽天ポイントを使うことも不可になった。2023年以前とはまったく別物と思った方がいい。

au PAYも2023年4月以降、請求書払い時のポイント還元を廃止している。残るのはチャージ元カードの還元だけだ。au PAYカード(通常)なら1.0%、au PAYゴールドカードなら最大1.5%がチャージ時に付く。

主要スマホ決済アプリ 詳細スペック比較 (2026年4月)

各アプリの対応状況と条件をまとめた。カード保有状況に応じた使い分けの参考にしてほしい。

アプリ請求書払いeL-QR還元率チャージ元証明書
PayPay1.0%(PayPayクレジット)PayPayカード電子
楽天ペイ0.5%(楽天カード→楽天キャッシュ)楽天カード電子
au PAY0〜1.5%(チャージ元カード次第)au PAYカード電子
d払い0%(税金は対象外)dカード電子
LINE Pay実質0%(自動車税は対象外)LINE Payカード電子
nanaco×0%(2022年以降クレカチャージ還元廃止)セブンカード・プラス電子

d払いとLINE Payは「使える」が「お得ではない」という状況だ。対応しているからといって使うと機会損失になる。au PAYはチャージ元カード(au PAYカード/au PAYゴールドカード)の選択で還元率が大きく変わる点が他アプリと異なる特徴だ。

eL-QR非対応アプリに注意

上記の主要アプリはすべてeL-QR対応済みだが、一部の独自QRアプリ(地方銀行系のスマホ決済など)ではeL-QRが読み取れないケースがある。エラーが出たら納付書のバーコード(OCR-B)で読み取るか、別アプリに切り替えること。eL-QRとバーコードは別物で、対応状況が異なるアプリもある。

なお、自動車税はPayPay・楽天ペイ・au PAYのどのアプリでも「請求書払い」または「税金・公共料金」メニューからアクセスできる。アプリのトップ画面からスキャンする場合は、ショッピング用QRではなく「請求書払い」専用のスキャン機能を選ぶこと。誤ってショッピング用スキャナーで読み取ろうとするとエラーになる。

PayPayクレジット払いの具体的な手順

スマホ決済に慣れていない人のために、現時点で最もお得なPayPayクレジット払いの手順を書いておく。

  1. PayPayアプリを開き、ホーム画面の「請求書払い」をタップ
  2. 納付書に印刷されたバーコード(またはeL-QR)をカメラで読み取る
  3. 支払い方法が「PayPayクレジット」になっていることを確認して支払い

これだけだ。所要時間は本当に30秒程度で、コンビニまで歩く時間を考えれば圧倒的に楽である。

ただし事前にPayPayクレジット(旧あと払い)の設定が必要で、PayPayカードとの連携が前提になる。PayPayカードを持っていない場合は、PayPay残高払い(チャージ済み残高から支払う方式)も選べるが、その場合のポイント還元は対象外となる。つまり「PayPayで払う=お得」ではなく「PayPayクレジットで払う=お得」という点に注意が必要だ。

PayPayカードは年会費無料なので、自動車税のためだけに発行しても損はしない。ただし審査があるため、納付書が届いてから慌てて申し込むと間に合わない可能性がある。来年以降も使うつもりなら、今のうちに作っておくといいだろう。

排気量1,500cc〜2,000cc(36,000円)で実質負担額を計算

売れ筋のコンパクトカーやセダンに多い排気量帯で、各支払い方法の実質負担額を出してみる。

支払い方法税額手数料ポイント還元実質負担額
PayPayクレジット36,000円0円-360円(1.0%)35,640円
au PAY + au PAYカード36,000円0円-360円(1.0%)35,640円
au PAY + ゴールドカード36,000円0円-540円(1.5%)35,460円
楽天ペイ + 楽天カード36,000円0円-180円(0.5%)35,820円
クレカ(還元率1.0%)36,000円288円-360円35,928円
クレカ(還元率0.5%)36,000円288円-180円36,108円
コンビニ現金36,000円0円0円36,000円
口座振替36,000円0円0円36,000円

クレジットカードの手数料は地方税お支払サイト経由で36,000円を支払う場合、262円(税抜)=288円(税込)だ。還元率1.0%のカードでも実質72円しか得しない。還元率0.5%のカードだと逆に108円の持ち出しになる。

結論から言うと、手軽さと還元率の両面でPayPayクレジット払い(1.0%還元・手数料無料) が現時点の最適解だ。au PAYゴールドカード保有者ならau PAY経由の方が上回るが、年会費11,000円のカードを自動車税のためだけに持つ意味はない。

軽自動車(10,800円)と大排気量車(50,000円)ではどうか

税額が変わっても傾向は同じだ。軽自動車10,800円の場合、PayPayクレジットなら108円還元で実質10,692円。コンビニ現金払いとの差は108円。一方、3,000ccクラス(50,000円)ならPayPayクレジットで500円還元、実質49,500円になる。税額が大きいほどスマホ決済の恩恵は大きくなる。

逆に言えば、軽自動車で100円程度の差のためにアプリを設定するのが面倒なら、コンビニ払いでも構わない。「お得だから」と無理にスマホ決済を使う必要はなく、自分の手間と天秤にかけて判断すればいい。

地方税お支払サイト経由のクレカ払い、損するケースがある

「クレジットカードで払えばポイントが貯まってお得」というのは半分正解で半分間違いだ。地方税お支払サイト(旧eL-QR対応)でクレカ払いすると、税額に応じたシステム利用料が発生する。

税額システム利用料(税込)還元率1.0%で得する額還元率0.5%で損する額
10,800円(軽)40円+68円+14円
30,500円226円+79円-71円
36,000円288円+72円-108円
50,000円370円+130円-120円

税額が大きくなるほど手数料も増えるが、高還元カード(1.0%以上)なら辛うじてプラスになる。一方、還元率0.5%のカードでは軽自動車を除いてマイナスだ。「ポイントが貯まるから」と安易にクレカ払いすると、手数料で相殺されるどころか損をする。自分のカードの還元率を確認してから判断すべきだ。

さらに気をつけたいのが、一部のカード会社が税金・公共料金の支払いをポイント対象外にしている点だ。三井住友カード(NL)のスマホ決済タッチ7%還元などは対象外だし、楽天カードも公共料金のポイント付与率を通常の1.0%から0.2%に引き下げている。「メインカードの還元率=税金払いの還元率」とは限らないので、利用規約を確認してから支払いたい。

車検が近いなら支払い方法に要注意

車検(継続検査)の際、以前は紙の納税証明書を提示する必要があったが、現在は運輸支局が電子的に納税確認を行うため、証明書の提示は原則省略できる。

ただし落とし穴がある。スマホ決済やクレカで支払った場合、納付情報が運輸支局のシステム(MOTAS)に反映されるまで数日〜3週間程度かかる。都道府県によって反映速度は異なり、東京都は比較的早い(おおむね3開庁日)が、一部の県では2〜3週間かかるケースもある。車検の予約が6月上旬に入っているなら、5月下旬にスマホ決済で払うとシステム反映が間に合わない可能性がある。

車検が迫っている場合の選択肢は2つだ。

  • コンビニ払いで納税証明書を窓口で即時受け取る
  • 早めに(5月上旬に届いたらすぐ)スマホ決済で払い、反映期間を確保する

車検の有効期限に余裕がある(7月以降)なら、スマホ決済で問題ない。

なお、軽自動車税の場合は事情が異なる。軽自動車検査協会では電子確認に対応していない地域もあり、紙の納税証明書が必要になるケースがある。軽自動車に乗っていて車検が近いなら、コンビニ払いが最も確実だ。

2026年の期間限定キャンペーン

楽天ペイが2026年4月16日〜6月30日の期間で「税金・公共料金の支払いで抽選100名に全額ポイント還元」キャンペーンを実施している。対象は楽天キャッシュでの支払い分のみ。当選確率は極めて低いが、どうせ楽天ペイで払うつもりならエントリーしておいて損はない。

ただし「キャンペーンがあるから楽天ペイで払おう」という判断は本末転倒だ。通常還元率0.5%のためにPayPayの1.0%を捨てるのは、宝くじのために合理的な選択を放棄するのと同じである。

nanacoチャージ経由のコンビニ払いはもう使えない

かつてはセブンイレブンでnanaco払いにすれば、nanacoへのクレジットチャージ分でポイントが貯まるという裏技があった。税金系ブログで散々紹介されてきた定番テクニックだ。しかし2022年以降、ほとんどのクレジットカードがnanacoチャージをポイント対象外に変更している。

2026年現在、セブンカード・プラスでのチャージ(0.5%還元)が残る数少ない選択肢だが、このカードを税金払い専用に新規発行するのも現実的ではない。nanaco経由の節税術は過去の遺物と考えていい。

同様に、ファミペイでも以前はFamiPayボーナスが付与されたが、現在は請求書払いでの還元が大幅に縮小されている。「コンビニのスマホ決済を経由すればお得」という時代は終わった。素直にPayPayやau PAYの請求書払いを使う方がシンプルで確実だ。

口座振替は本当に「損」なのか

ポイント還元がゼロだからといって、口座振替が悪い選択とは限らない。口座振替の最大のメリットは「何もしなくていい」ことだ。毎年5月に届く納付書を開封して、アプリで読み取って、支払い方法を確認して――この一連の手間がゼロになる。

特に複数台の車を持っている家庭や、年度初めの繁忙期に納付を忘れがちな人にとっては、確実に期限内に納められる口座振替の安心感は数百円のポイント以上の価値がある。東京都などの一部自治体では口座振替の申込がオンラインで完結するので、一度設定すれば翌年以降はまったく手間がかからない。

ただし口座振替を解約してスマホ決済に切り替えたい場合、自治体によっては書面での手続きが必要だったり、反映に1〜2ヶ月かかることもある。切り替える場合は早めに手続きしておくべきだ。

よくある質問

Q. PayPay残高払いでも還元されるか?

PayPay残高払い(チャージ済み残高から支払う方式)でも自動車税の支払い自体は可能だ。ただしポイント還元の対象はPayPayクレジット(あと払い)のみで、残高払いでは1.0%の還元は受けられない。「PayPayで払えばお得」ではなく「PayPayクレジットで払うとお得」という点を押さえておく必要がある。

Q. 自動車税を分割払いにできるか?

原則として分割払いには対応していない。ただし失業・生活困窮などやむを得ない事情がある場合は、都道府県税事務所に相談すると猶予や分割納付の手続きができる場合がある。延滞したまま放置すると延滞金が加算されるため、払えない状況が続くなら早めに税事務所へ相談するべきだ。

Q. ポイントはいつ付与されるか?

PayPayクレジットは支払い完了の翌々月上旬に付与される。au PAYのチャージポイントは即時または翌営業日が多い。楽天ペイ経由のチャージ分は楽天カードの締め日・支払い日に準ずる。各アプリのポイント履歴か通知で確認するのが確実だ。

Q. d払いやLINE Payは使えないのか?

eL-QR対応アプリならd払いやLINE Payでも自動車税を支払える。ただし2026年現在、d払いの請求書払いはポイント対象外、LINE PayはLINEポイントクラブの改定でほぼ還元がない状態だ。PayPay(1.0%)やau PAYカード経由(最大1.5%)と比べると見劣りするため、特段の理由がなければPayPayクレジットを選ぶ方が合理的だ。

Q. ふるさと納税と自動車税は両立できるか?

ふるさと納税は個人住民税(所得割)から控除される仕組みで、自動車税(種別割)とは課税の仕組みが異なる別の税目だ。両立できる。ふるさと納税の控除上限額は年収・家族構成によって異なるため、シミュレーターで上限額を確認してから判断するのが賢明だ。

どの支払い方法を選ぶべきか

状況別の判断基準をまとめておく。

  • 手軽さ重視・特にこだわりなし → PayPayクレジット払い(1.0%還元・手数料無料)が総合的に最もバランスがいい
  • au PAYゴールドカードを持っている → au PAY請求書払い(最大1.5%還元)で最大限に活かす
  • 車検が1ヶ月以内に迫っている → コンビニ払い一択。紙の証明書を確実に受け取る
  • 複数台持ち・毎年の手間を減らしたい → 口座振替で自動化。ポイントより確実性と省力化を優先
  • ポイントに興味がない・現金主義 → コンビニ払いか口座振替で十分。無理にアプリを入れる必要はない
  • 楽天経済圏で統一している → 楽天ペイ請求書払い(0.5%還元)。PayPayより還元率は低いが、楽天ポイントに集約できるメリットはある

やることは単純だ。納付書が届いたらPayPayアプリを開き、「請求書払い」からバーコードを読み取る。30秒で終わる。浮いた360円でコーヒーでも飲めばいい。

なお、来年以降もポイント制度は変わる可能性が高い。PayPayクレジットの1.0%還元がいつまで続くかも保証はない。毎年5月になったら「自動車税 支払い方法 最新」で検索する習慣をつけておくのが、結局いちばんの節約術かもしれない。