応用情報技術者試験は、2026年度(令和8年度)からCBT(Computer Based Testing)方式へ全面移行する。2025年8月12日のIPAプレスリリースで正式決定したもので、応用情報のほか、高度試験(プロジェクトマネージャ・データベースなど)、情報処理安全確保支援士も同時にCBT化される。
長らく続いてきた「春期4月・秋期10月」の固定日程は廃止され、2026年は11月頃に「前期試験」、2027年2月頃に「後期試験」が初実施される。出題範囲・配点・合格基準は据え置きだが、紙からPCに変わることで「試験テクニック」がまるごと書き換わる。本日2026年5月7日はちょうど11月本試験の6ヶ月前。学習開始としては最適なタイミングだ。
令和8年度から変わる5点
| 項目 | 旧(令和7年度まで) | 新(令和8年度から) |
|---|---|---|
| 受験形式 | PBT(Paper Based Testing・紙) | CBT(Computer Based Testing・PC) |
| 実施時期 | 春期4月+秋期10月 | 前期11月+後期2月 |
| 科目名称 | 科目A・科目B | 科目A群・科目B群 |
| 受験会場 | 全国の大学・学校 | プロメトリック・ピアソンVUE |
| 受験会場数 | 全国50か所程度 | 全国200か所以上 |
| 受験日選択 | 固定日(年2日のみ) | 期間内ウィンドウから選択可 |
| 申込み開始 | 試験の約3ヶ月前 | 試験の約4ヶ月前(予約制) |
科目名は2025年12月の改訂で「科目A群」「科目B群」へ整理された。出題範囲が変わったわけではなく、対象試験ごとに科目を分割表記しただけだ。古い参考書の「午前」「午後」「科目A」「科目B」という表記でも内容は通用する。
合格基準は据え置きで、科目A群・科目B群いずれも60点以上の同時クリアが必要。直近実績の合格率は20%台後半(令和5年春期27.2%・令和4年秋期26.2%あたり)で、CBT初年度に難易度が上がるかは未知数だが、「合格基準60%」は変わらないため過去問演習の価値は維持される。
PBT経験者がハマる「CBT特有の3つの罠」
過去にペーパーで受験した人ほど、CBTの違和感に足元をすくわれやすい。具体的には次の3つだ。
画面スクロールに印が付けられない問題。午後問題(科目B群)は本文が長く、PBT時代は問題冊子に下線を引いたり矢印を書き込んだりしながら読み解いていた。CBTでは画面に直接書き込めないため、配布されるメモ用紙への要点抜き出しに切り替える必要がある。これが意外と練習しないと身につかない。
キー入力の記号判定が厳格。記述式の解答で、半角・全角の区別、スペースの有無、括弧の種類などを画面入力する。SQLやプログラム穴埋めの解答で「select と書くか SELECT と書くか」のような表記揺れが採点ロジックに引っかかる懸念があるため、IPAが公開するCBT体験版で実際の入力フィーリングを掴んでおきたい。
戻り直しの自由度低下。PBTでは時間配分次第で午前→午後を行き来できたが、CBTは区分ごとの時間管理が基本になる。「あとで戻って解こう」が効きにくいので、一巡目で確実に取れる問題から解き切る訓練が重要だ。
6ヶ月で組む学習スケジュール
11月本試験を想定すると、5月開始で月別の負荷分散はこうなる。
- 5月〜6月(基礎固め):科目A群の過去問300問を2周。キタミ式や栢木先生のITパスポート教科書を踏み台に、応用情報レベルの用語と計算問題に慣れる段階だ。1日30分でも続ければここで脱落しない。重要なのは「分からない問題を放置せず、その日のうちに解説を読む」習慣。GW明けの今は学習の立ち上がり期で、ここでつまずくと9月以降の追い込みに響く。
- 7月〜8月(科目B群の主力分野):情報セキュリティ・データベース・ネットワークの3分野に絞り、3週間ずつ集中。科目B群は11問中5問を選択する形式なので、得意分野を3つ作っておけば本番の選択ミスが減る。データベースはSQL記述、ネットワークはサブネット計算とTCP/UDPの挙動、情報セキュリティは暗号方式と認証フローを軸に押さえる。
- 9月(科目A仕上げ):応用情報技術者ドットコムや過去問道場で800問総ざらい。アウトプット中心に切り替える時期で、解説を読まずに先に解いてみる癖をつける。正答率が80%を超えた分野は「捨てて」、60%未満の分野に時間を寄せる選択と集中を意識する。
- 10月(科目B過去問演習):過去5年分×11問×全パターンを1周。CBT初年度は新作問題比率が上がる可能性が高いため、パターン暗記ではなく「設問の問い方を構造で理解」する読み方に寄せる。1問あたり30分の制限を設けて、本番の時間感覚を体に染み込ませる。
- 11月直前(操作慣れ):IPAのCBT体験版とプロメトリックの予約サイトを実際に触る。模試3回(TAC・ITEC・大原のいずれか)で本番形式に慣れて当日を迎える。前日は新しい問題に手を出さず、これまでの間違いノートを見返すだけにとどめる方がよい。
社会人で平日1時間+休日3時間の場合、週11時間×26週=約290時間の学習量になる。応用情報の合格者平均学習時間は500時間前後とされるが、基本情報合格済みの人なら250時間でも届く。逆にゼロから始める非IT職の場合は400時間を目標に7ヶ月前(つまり4月)から逆算したい。
平日30分・休日3時間の典型的な1週間
| 曜日 | 内容 | 時間 |
|---|---|---|
| 月〜金 | 通勤時間で科目A過去問10問(スマホアプリ) | 各30分 |
| 土曜午前 | 科目B選択分野の精読+演習 | 90分 |
| 土曜午後 | 間違いノート整理 | 30分 |
| 日曜午前 | 模試形式で60問通し演習 | 90分 |
| 日曜午後 | 苦手分野の動画講義(わくスタなど) | 30分 |
合計は週11時間。これを24週続ければ264時間で本番に到達する。完璧主義になると挫折するため、月単位で2〜3日「休んでも巻き返せる」遊びを作っておくことを推奨する。
科目B群の選択戦略アップデート
CBT初年度で過去問パターンが効かなくなる前提なら、保守的なポートフォリオが安全だ。具体的には以下の配分を推奨する。
- 情報セキュリティ:必須相当の頻出枠で、毎回出題される定番分野。1問
- ストラテジ系(経営戦略・システム戦略):文章読解で得点しやすい。2問
- マネジメント系(プロジェクトor サービスマネジメント):暗記要素が強く安定している。1問
- 技術系(プログラミング・データベース・ネットワーク・組込みのいずれか得意な分野):1問
技術系を3問以上に振ると、CBT初年度の新作問題に当たって沈むリスクが上がる。「技術職だからプログラミング選択」という発想は、合否ライン上では裏目に出やすい。
CBT初年度に予想される出題傾向の変化
過去問パターンが効きにくくなる可能性は、CBT先行組(基本情報・ITパスポート)の運用実績から推測できる。基本情報がCBT化された2020年以降、出題プールが拡大して新作問題比率が上昇したのは事実だ。応用情報も同様の流れになる前提で、3つの備えを用意したい。
第一に、過去問の「なぜそうなるか」の理解を深めること。選択肢の語尾だけ覚えて答えるパターン暗記では、新作問題で対応できない。「TCPの3ウェイハンドシェイクがなぜ必要か」「正規化の各段階で何を分離するか」のように、用語の背景まで掘り下げる。
第二に、直近5年より古い過去問にも手を出すこと。CBTになるとIPAは過去10年分くらいの蓄積から問題を引っ張ってくる可能性がある。応用情報技術者ドットコムは平成17年からの全過去問を網羅しており、こうした古い年度こそCBTの出題プールに近い。
第三に、新出技術トピックへの感度を上げること。生成AI、量子コンピュータ、ゼロトラストネットワーク、SBOMなど2024〜2025年に話題化した分野は、CBT初年度に新作問題として登場しやすい。日経クロステックやIT mediaのニュースを週1で流し読みするだけでも違う。
学習者タイプ別の3つのモデルケース
Aさん:基本情報合格済み・29歳・自社開発のWebエンジニア。週末3時間+平日30分の独学プラン。教材はキタミ式と過去問道場のみで実質コスト1万円。基本情報で身につけた素養があるため、5月開始で180〜250時間の積み上げで本番に届く。狙いは応用情報合格→翌年データベーススペシャリスト連戦。
Bさん:情報処理未受験・36歳・SES所属のインフラ運用。週末5時間+平日1時間でStudying受講。月3,300円×6ヶ月+書籍代で約3万円。職務に近いネットワーク・サーバ系を科目B群の主力に据え、ストラテジ・マネジメントは暗記で割り切る。300〜400時間の学習量が目安。
Cさん:文系出身・42歳・社内IT推進担当。リスキリング目的でTAC通学コースに約25万円投資し、教育訓練給付金で実質12.5万円。週土日各6時間+平日2時間で500時間積む。CBT初年度の手厚いサポートを買う形で、初学者でも合格率は跳ね上がる。Cさんのケースは年収UPやキャリア転換まで視野に入っているため、投資金額の回収もしやすい。
教材・スクールの2026年度CBT対応比較
| 選択肢 | 価格帯 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| TAC集中本科生 | 約25万円 | CBT模試付き・通学可 | 仕事を持ちながら強制力が欲しい人 |
| ITEC | 5〜10万円 | 教材+答練・老舗の信頼 | 自分で進度管理できる人 |
| Studying | 月3,300円〜 | スマホでCBT演習・隙間時間 | 移動時間が長い社会人 |
| フォーサイト | 約8万円 | 教材+質問対応 | コスパ重視 |
| 独学 | 実質0円〜1万円 | キタミ式+過去問道場+わくスタYouTube | 学習習慣がある人 |
社会人なら教育訓練給付金の対象講座を選ぶと負担が大きく下がる。一般教育訓練給付で20%、特定一般で40%、専門実践で50%(条件によっては70%)が後日支給される。TACやITECの応用情報講座は対象になっているケースが多いので、申込み前に厚生労働省の検索システムで講座コードを確認したい。教育訓練給付の活用法は教育訓練給付金80%拡充の費用回収シミュレーションでも詳しく扱った。
推奨教材セット(独学組向け)
独学で行く場合、最初に揃えるべき教材を3層構造で考えると無駄がない。
- 第1層 基礎テキスト(1冊):キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者(技術評論社、2,750円) または 栢木先生のITパスポート教科書から橋渡しする 基本情報技術者教科書(翔泳社、2,420円)。
- 第2層 過去問演習(無料):応用情報技術者ドットコム(過去問道場・解説豊富・無料)。アカウント登録だけで全分野の過去問にアクセスできる。スマホアプリ版もある。
- 第3層 動画補講(無料〜有料):わくわくスタディワールド(YouTube・無料・基礎理論〜応用解説まで)、Studying(月3,300円・スマホ完結・進捗管理機能)、Udemy(セール時1,500円〜・ピンポイント分野補強)。
予算1万円以内で完結させるなら、第1層+第2層+わくスタYouTubeで十分。第3層の有料コンテンツは「特定分野が独学では伸び悩んだとき」に追加投入するのが費用対効果が高い。最初から全部買うと、教材消化に学習時間を取られて本末転倒になる。
学習コストの全体像
教材費だけでなく、半年学習で発生する周辺支出も見落とさない方がいい。独学・通信講座・通学それぞれの総額目安を比較すると次のようになる。
| 項目 | 独学 | Studying | TAC通学 |
|---|---|---|---|
| 教材・講座費 | 5,000円 | 19,800円 | 250,000円 |
| 過去問サイト課金(任意) | 0円 | 0円 | 0円 |
| 模試3回 | 9,000円 | 9,000円 | 0円(コミ) |
| 受験料 | 7,500円 | 7,500円 | 7,500円 |
| 交通費(通学・会場) | 2,000円 | 2,000円 | 30,000円 |
| 文具・印刷代 | 3,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
| 合計 | 約26,500円 | 約39,300円 | 約288,500円 |
教育訓練給付金の対象講座を選ぶと、専門実践教育訓練給付の場合は受講料の最大50%(条件によっては70%)が後日還付される。TACの集中本科生25万円のうち、専門実践指定講座であれば実質12.5万円〜7.5万円まで圧縮できる計算だ。受講前にハローワークで「受給資格確認」を済ませる必要があり、初回手続きに約1週間かかるため、5月中に動き出しておくと8月以降の本格学習に間に合う。
仕事と並行する社会人のための時間割
平日の朝・通勤・昼休み・夜・休日それぞれにどう学習を組み込むかで6ヶ月の体力消費が変わる。続けやすいパターンを3つ紹介する。
- 朝型(おすすめ度★★★★★):朝5:30〜6:30の60分を学習に充てる。出社前の脳がフレッシュな時間で、過去問演習やインプットが最も定着しやすい。デメリットは早寝の習慣化が必要なこと。
- 通勤型(★★★★):電車30分×往復で60分。スマホの過去問アプリ(応用情報技術者ドットコムの公式アプリやStudying)に集中できれば、毎日60問は回せる。混雑路線では立ち学習になるためバッテリーケアが必要。
- 夜型(★★★):21:00〜22:30の90分を確保。仕事の集中力残量が問題で、平均的な社会人は夜の学習効率が朝の60〜70%に落ちる。テキスト精読や動画講義など受動学習向きで、過去問演習は朝に回す方が効く。
家庭がある場合は、配偶者・パートナーへの学習宣言が地味に効く。「11月にCBTで応用情報を受ける」と宣言しておくと、休日の家事・育児負担を一時的に減らしてもらえる交渉がしやすい。逆に黙って始めると、平日夜のイヤホン学習が「家族時間を奪っている」と受け取られかねない。
受験料・申込・会場予約の注意点
受験料は7,500円(消費税込み)で据え置き予想だが、CBT会場の予約は早い者勝ちになる。プロメトリック方式の他資格(基本情報・FP・簿記など)を見ても、東京・大阪・名古屋の主要会場は申込み初日に埋まることが珍しくない。
地方在住者は隣県会場まで視野を広げておくと安心だ。受験日も2〜3週間のウィンドウから選択できる可能性が高い(基本情報のCBT運用と同様)ため、「11月の最初の土曜」のような人気枠は早めに押さえる。
申込み開始は2026年7月頃が想定される。IPAの公式サイトで日程公表があった当日にプロメトリックのアカウントを作成し、希望日時の候補を3つ用意しておくとスムーズだ。決済はクレジットカードかコンビニ払いの予定で、コンビニ払いの場合は支払い完了後に予約確定するため、初日のラッシュではカードの方が確実に席を取れる。
身体障害等で配慮が必要な受験者向けの「特別措置試験」は別日程で実施される見込みなので、該当する場合はIPAの相談窓口に4ヶ月前までに連絡する。CBT会場のバリアフリー対応状況は会場ごとに差があるため、こちらも個別確認が必要だ。
合格後のキャリアと年収
応用情報合格者のキャリアパスは大きく3つに分かれる。
- 高度試験へのステップアップ:プロジェクトマネージャ(PM)、データベーススペシャリスト(DB)、ネットワークスペシャリスト(NW)、情報処理安全確保支援士(SC)のいずれかへ進む王道ルート。応用情報合格から2年以内に1つ取ると、職務経歴書での専門性アピールが一気に強まる。
- AWS・クラウド系SAA(Solutions Architect Associate)・SAP(Solutions Architect Professional)併記:応用情報の体系知識+AWS実務スキルでSESの単価が月5万〜10万円上がりやすい。受託開発やSREポジションでも採用基準を満たしやすくなる。
- マネジメント職への転身:PMP(Project Management Professional)やITストラテジストと組み合わせて、プレイヤーから管理職へキャリアチェンジ。応用情報のストラテジ・マネジメント領域がそのまま実務知識になる。
転職市場のリアリティとしては、応用情報単体で年収が劇的に上がるわけではない。ただし「応用情報+実務経験5年+ AWS SAA」のような組み合わせがエージェントの推薦リストに乗りやすくする「足切り回避」効果は大きい。マイナビIT、レバテック、Geeklyあたりに登録すると、応用情報保持者向けの求人が定期的に流れてくる。
副業フリーランスや独立を視野に入れる場合、応用情報は「クライアントへの説明責任」を担保する材料として効く。発注側のSI企業や地方自治体は、契約の前提に「情報処理技術者試験(高度試験を含む)保持者の参画」を入れていることがあり、応用情報がチケット代わりになる。
2027年度に回す判断
「初年度のリスクを避けたい」という理由で1年後ろ倒しする選択もある。ただし2027年度以降も年2回(前期11月・後期2月)のままなので、わざわざ1年遅らせるメリットは小さい。CBT初年度に過去問演習の価値が下がるわけではなく、合格基準60%も変わらない。
延期が合理的なのは「2026年度中に仕事・育児で6ヶ月を確保できない」ケースに限られる。教材の改訂版を待ちたいだけなら、TAC・ITECは2026年度カリキュラムが出揃っているので待つ理由にならない。
CBTに向けたPC操作の事前訓練
意外と軽視されがちだが、CBTで実力を出し切るにはPC操作のクセを矯正しておく必要がある。具体的なチェックリストは次のとおり。
- タッチタイピング:1分100文字程度のスピードがあれば、午後の記述問題で時間切れにならない。e-typingやMyTypingなど無料サービスで毎日5分練習。
- 半角/全角の切替:Windows IMEのShift+CapsLockやMacのcontrol+Spaceを反射的に押せるか。SQLや英語表記の解答で必須。
- コピー&ペーストとUndo:本文から条件文を解答欄にコピーする場面が想定される。Ctrl+C/V/Z(Mac は Cmd)を使えるかどうか。
- マウスカーソルの精度:長文をスクロールしながら線を「目で追う」訓練。指で文字をなぞれない分、マウスホイールと矢印キーの併用が効く。
CBT本番では、テストセンター備え付けのキーボードとマウスを使う。普段ノートPCのトラックパッド派だと、マウス操作の指疲れで集中力が削がれることがあるので、自宅で2週間ほど外付けマウス+メカニカルキーボードに切り替えて慣らしておくとよい。試験会場ではイヤープラグの持ち込みが許可されるケースが多い(プロメトリック運用準拠)ため、雑音に弱い人は前日までに用意する。
よくある誤解と回答
Q. PBT時代の参考書はもう使えないのか? A. 使える。出題範囲・配点・合格基準は据え置きなので、2024年・2025年版の参考書でも内容知識としては有効だ。買い替えるべきは「過去問題集」ではなく「CBT形式の模試・演習ソフト」の方。
Q. 11月に間に合わない場合、2027年2月の後期試験を受けられるか? A. 受けられる。2026年度はCBTで前期(11月)・後期(翌2月)の年2回制になる予定で、両方ともに同じ難易度設定だ。後期は学習時間を9ヶ月確保できる代わりに、年明けの仕事繁忙期と重なるデメリットもある。
Q. CBT会場での持ち込み品は? A. 筆記用具・電卓・参考書は基本不可。CBTの一般運用では、IDカードと予約完了メールのみ持参する。電卓機能は画面上のソフトウェア電卓を使う形になる見込みで、慣れておく必要がある。飲み物・食事は会場ロビーで休憩時間に取る。
Q. 仕事をしながら6ヶ月で受かるか? A. 基本情報を持っているなら現実的。ゼロからは厳しいが、毎日90分+休日3時間を6ヶ月続ければ届く。途中で挫折する最大要因は「毎日の量を決めずに気分でやる」こと。週単位で過去問の問題数を決めてしまう方が継続率が高い。
次の一歩
学習開始日を5月の今週中に決めるのが第一歩だ。具体的には、IPAの公式サイトで令和8年度のスケジュールを確認し、応用情報技術者ドットコムのアカウントを作って科目A群の過去問を10問だけ解いてみる。それで「思ったより取れる」のか「全く歯が立たない」のかで、独学か講座利用かが見えてくる。
合格後の年収インパクトは基本情報保持者比で50万〜80万円とよく言われるが、これは平均値であって個人差は大きい。むしろ高度試験(プロジェクトマネージャ・データベースなど)へのステップアップ権を得ることの方が長期的価値が高い。応用情報を踏み台にする前提で、2026年度CBT初回受験を狙う動機付けにしたい。
最後に1つだけ。CBT初年度は受ける側にとって不確実性があるのは事実だが、「不確実性で全員が躊躇する年」こそ受験者数が落ち、合格枠に対する競争率が下がる可能性もある。応用情報のような相対評価ではなく60%絶対基準の試験では関係ないという見方もあるが、過去のCBT移行(基本情報・ITパスポート)では初年度の合格率が一時的に上がるパターンも観測されている。「初年度を避ける」が必ずしも合理的とは限らない、ということを最後に書き添えておく。
CBT化はIPAにとっても受験者にとっても歴史的な転換点だ。問題用紙にメモを書き込みながら解く「PBTの記憶」を持つ最後の世代として、紙の試験と画面の試験のはざまで悩む人は少なくないはず。それでも合格基準60%・出題範囲据え置き・年2回化という条件は、むしろ受験機会を増やす方向に働く。半年後の11月、テストセンターで「Submit」ボタンを押す自分を想像しながら、今週の学習計画を1枚の紙に書き出すところから始めたい。